2018年3月5日(月)
第343回高知県議会 平成29年度2月定例会一般質問

県議会のホームページで、議会の録画がご覧になれます(別窓で開きます)


 
■大野たつや 
おはようございます。議長からお許しをいただきました、高岡郡選出 県民の会の大野たつやでございます、どうぞよろしくお願いいたします。
質問の冒頭、私事で大変恐縮でございますけれども、この1月に50歳とならせていただきました。これまでお世話になった多くの皆様方に、この場をおかりしまして、あらためて感謝とお礼を申し上げたいと思います。
人生50年、半世紀を振り返ってみれば、この間、様々な思い出や出来事がありました。
幼少期のある日突然、家にカラーテレビがやってきて、それから毎日のように、お茶の間でブラウン管から流れてくる、子ども向け番組や、娯楽番組、ニュースやスポーツ中継を見たものでした。プロ野球王貞治選手のホームラン世界新記録、プロレスラーアントニオ猪木対ボクシングの英雄、ムハメドアリの異種格闘技戦、ロッキード事件で紛糾する国会などは、幼少期の思い出の中でも今でも鮮明に覚えています。
中学高校時代には、モスクワオリンピックを日本チームがボイコットして、多くの選手が涙を流されるのを見ました。また、ジョンレノンの暗殺や日航機の墜落事故など衝撃的なニュースが多くあったのもその頃でした。
高校を卒業して社会人となる頃に、アメリカのスペースシャトルチャレンジャー号が、発射直後に爆発し、乗組員全員が犠牲となりました。また、当時ソビエトのチェルノブイリ原子力発電所が大事故をおこし、世界中が放射能汚染の恐怖に脅えました。
20歳の時、昭和天皇が崩御され、昭和の時代が幕を閉じ、時代は平成となりました。その年には、ドイツでベルリンの壁が崩壊し、歴史的なマルタ会談により、東西冷戦時代が終結しました。日本でも明るい時代が来ると思われた直後に、バブル経済が崩壊し、さらには阪神淡路大震災、アメリカでの同時多発テロ事件、そして7年前の2011年平成23年には、あの未曾有の東日本大震災が発生しました。
今思えば平成の時代の日本は、グローバル化という大きなうねりの中で、様々な面で競争も激化し、格差も拡大、大災害にも見舞われるなど、人の心も生活も経済的にも大変厳しいことの多い、耐える時代であったような気がします。
今年は明治維新から150年、来年は天皇陛下のご退位に伴い、皇太子さまが即位され、新元号も施行されます。また再来年にはいよいよ東京オリンピック・パラリンピックも開催されます。まさに新しい時代の幕開けの時となりました。新しい時代が、明るく希望に満ちた飛躍の時代となるためにも、バブル世代と言われている、私たち中堅世代が、もっともっと頑張らなければいけないと、50歳を機に改めて心を引き締めなおす、今日この頃であります。そこで、生い立ちや学歴など雲泥の差ではありますけれども、同じ時代を生きてきた同学年、同世代として、少し先に50歳になられた本県の若きリーダー尾ア知事に、知事として、
この50年間を振り返って思われることをお聞かせいただければと思います。

アベノミクス、地方創生、働き方改革、人づくり革命、生産性革命等々、安倍政権から、新しい政策や言葉が次々と出てきます。アベノミクスは、円安や株価の上昇に伴い、企業収益を上げることによって、雇用の増加や賃金の上昇にもつなげ、消費や投資を促し、経済全体を押し上げる、いわゆるトリクルダウンの考え方とも言われています。

しかしながら、バブル経済の崩壊やリーマンショックを経験している企業、経営者は、株価の上昇により増えた資産を、いざという時のために蓄えておく、いわゆる内部留保にとどめ、その恩恵を労働者層まで十分届けられていないのが現状となっています。

また、企業のみならず、個人においても、老後など将来への不安から、今の生活を少しでも切り詰めて、1円でも貯金や積立に回して、将来のために蓄える方も多く、そうした実態などから、アベノミクスは、まだまだ国民全体の消費の底上げ、実体経済の回復にはつながっていないように思えます。働き方改革にしても、使用者側が残業代を払わなくてすんだり、いくら残業をさせても違法とならないような、使用者側のニーズに即した、はたらかせ方改革ではなく、雇われている人、働く人の人生にも余裕ができ、日々の暮らしを有意義に安心して送れるような働き方改革にしていただきたいと思います。

また、地方創生においても、国が上から目線で地方自治体に競争させるような、中央集権的な地方創生ではなく、自治体と自治体も助け合い、地方でも都市でも、どこに住んでいても、誰もが安心して生活できる、住民サービスが受けられる社会の基盤整備、地方自治体が本当に自立していけるような、地方創生、政策に期待をしたいと思います。

働く人が給与や余暇をしっかり取得でき、さらに老後に不安のない介護や福祉、医療など、しっかりとした社会保障、社会のセーフティネットの土台があれば、安心してお金も使うことができるようになると思います。そうした、生活者の消費の拡大により、民間や企業も潤い、税収や財政も安定し経済も循環していく。そうした、生活者側、現場から、経済の好循環を作りだしていけるような政策にも期待をしたいと思います。これからの新しい時代が、現在のように競争や格差が拡大する社会でなく、人と人、動物も自然も共に生きていけるような共生社会、分断や争いのない、誰もがお互いを尊重しあう、助け合いの社会となるよう期待をしたいと思います。そうした、社会環境を作るためには、人口減少や社会保障、労働環境、エネルギーの問題などは、言葉や誤魔化しでなく、課題としっかり向き合い、現場に根差した、現場に寄り添った、ボトムアップ型の政治や政策が重要であり必要だと思います。そうした、新しい時代、理想の社会を創造する中で、全国から10年早く、過疎化、少子高齢化が進んでいると言われる本県の取りくみは、この国のみならず、世界の先進事例として、今後益々重要視されてくると思います。そうした意味でも、地方の末端で歯を食いしばって頑張っておられる皆様の暮らしぶり、東京も知りながら田舎の現場も知っておられる、尾ア知事の経験と手腕、リーダーシップに今後、益々期待をするものでありますが、
新しい時代におけるこの国の理想の姿と、それに向かって知事の決意をお聞かせいただければと思います。

これからの新しい時代が、世界が平和で、誰もが心豊かに、安心して生活が送られる社会、世の中になることを期待するものでありますが、私たち、そして子どもや孫たちの世代まで、深刻な影響を及ぼす大きな課題の一つに、放射能、原子力の問題があります。

冒頭でも少し触れましたが、チェルノブイリ原子力発電所の事故、そして記憶にも新しい東日本大震災による福島原子力発電所の事故は、私たち地球に生きる、命ある者全てにとって、避けることのできない大きな問題、課題を提起したものでした。福島の事故は、7年が経過する今も、強い放射線によって原子炉に近づくことができない状況から、収束はおろか、事故の正確な実態も掴めていない状況が続いており、ふるさとに帰ることを断念せざるを得ない人も多くいます。また、昨年12月に公表された最新の福島県の県民健康調査によると、福島県の小児甲状腺がん及びその疑いのある子供達は、193人にも登り、復旧作業にあたった作業員の健康被害も増大するなど、被災された方々の被爆状況も増々深刻化しています。昨年12月、愛媛県の四国電力伊方原子力発電所3号機について、住民らが運転差し止めの仮処分を求めた申し立ての抗告審で、広島高裁は、期限つきながらも運転差し止めを認める決定をされました。審理において、裁判長は「阿蘇山の噴火で火砕流が原子力発電所の敷地に到達する可能性が十分小さいと評価できない」とし、「住民らの生命身体に対する具体的危険が推定される」と火山災害による重大事故のリスクを指摘し、原子力発電所の立地として、伊方は不適との判断を下しました。火山災害のリスクが論じられた運転差し止めの決定から間もない、今年1月、群馬県の草津白根山の本白根山が噴火し、12人が死傷する火山災害が発生しました。

お亡くなりになられた陸上自衛官、またお怪我をなされた方々に、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げるものです。今回の噴火は専門家もノーマークだったということで、またしても自然の驚異が想定外の被害をもたらしたと言える災害であったと思います。

近年、熊本県や大分県での地震が頻発し、阿蘇山や桜島でも、噴火活動が続くなど、超巨大活断層の中央構造線に変調がみられるとして、伊方原子力発電所付近での地震の危険性を強く示唆する方もいます。そこで、火山による災害の恐れを運転差し止めの理由とした、
広島高裁の決定を踏まえた伊方原子力発電所の稼働に対する知事のご所見をお伺いしたいと思います。

国の原子力政策による多額の交付金や地域振興策は、人口の流出などにより経済が疲弊している地方自治体にとっては、財政的に大きな恩恵のある、ありがたい話であり、危険というリスクはあるものの、歓迎する考え方もあります。安全な暮らしを選ぶか、財政的な豊かさを選ぶかで、かつて本県の窪川町や東洋町のように、原子力発電所や放射性廃棄物の処分場の計画が持ち上がった地域では、賛成、反対の議論だけでなく、様々なあつれきなどにより、地域の絆や人間関係が切り裂かれてきたことも事実であります。
原子力政策推進の陰の部分として、立地に関しても多くの人々の生活や人間関係が壊されてきた現実、苦しみや悲しみの歴史があることにも目をそむけてはならないと思います。本県においては、これまで原子力発電に依存しない社会の実現を目指して、その依存度を徐々に減らしていくことを目的に、四国電力との勉強会を通じて、安全対策の徹底を求め、原子力発電への依存度の低減に向けた努力もされてきていると理解しています。大事故の危険性、健康被害、放射性廃棄物処理の問題、地域の絆や人間関係をも壊してしまう原子力政策から、高知家の大切な家族、県民を守り、安心で安全な高知県とするため、原子力発電に依存しないエネルギーへの一刻も早い転換が望まれます。

本県の原子力発電への依存度の低減に向けた取組みの現状と原子力発電ゼロへの具体的な検討について、知事にお伺いしたいと思います。 



次に、安倍政権と本県経済についてお伺いします。先にも少し触れましたが、安倍政権の経済政策であるアベノミクスは、長引く不況、デフレからの脱却により、日本経済を力強く成長させていくことをめざして、大規模な金融緩和、財政出動、民間投資を喚起する規制緩和などによる成長戦略といった、いわゆる3本の矢を柱に展開されてまいりした。アベノミクスの金融政策によって、円安、株価の上昇により経済の好循環がもたらされ、2009年には7000円台まで落ち込んでいた日経平均株価は、今や3倍の2万円を超えるまでに回復するなど、特に東京など大都市圏の大企業を中心に業績回復は図られてまいりました。しかしながら一方で、富める者と、そうでない層の所得格差や都市と地方との格差が広がり過ぎたことなどから、新たに国民誰もが活躍できる1億総活躍社会をスローガンに、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」を新3本の矢として国内総生産GDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロといった数値目標を掲げるとともに、全世代型社会保障への転換やIOTの活用などによる生産性の向上に取り組むなど、アベノミクスの新たなステージが現在展開されています。一方、本県においても、尾ア知事の就任以来、産業振興計画をはじめとする様々な施策によって、県経済の各種指標は上向きとなってきており、最近の日銀高知支店発表の金融経済概況においても、企業の業績が製造業を中心に一段と改善しているなどとして、本県の景気は回復していると判断がされるなど、県経済の活性化、成長が一段と進んでいる状況となっています。そうした改善傾向が進んできたとはいえ、個人消費や県民所得など、まだまだ県民の多くがその恩恵を実感できていない状況もあるのではないかと感じる部分もあります。そこで、
これまでのアベノミクス政策への評価と本県経済への波及効果について、知事のご所見をお伺いしたいと思います。

今、通常国会の冒頭、安倍首相は施政方針演説において、高知大学で食品ビジネスを学び、特産品のトマトで人気商品を開発して、年間1千万円以上を売り上げ、地域の活力につなげているとして、本県日高村のNPO法人日高わのわ会の安岡千春さんを実名であげ、その取り組みを紹介されました。私自身も役場職員時代、高吾北地域のトマト産地化に取り組ませていただいたこともあり、この快挙を大変感慨深く、本当に嬉しく思い、あらためて、安岡さんをはじめとするNPO法人日高わのわ会さん並びに日高村、そして全国にその取り組みをご紹介いただいた、安倍首相に敬意と感謝を申し上げるものでございます。日高村につきましては、ご承知のとおり、戸梶村長自らが被り物など体をはって特産品のトマトのPR、営業マンとして努められ、昨年は県外からトマト生産企業の誘致やJAコスモスの新たなトマト選果場を完成させるなど、トマトの産地拡大による産業振興が進められています。そうした中、創業3周年を迎えた直販所の「村の駅ひだか」が開店以来集客数60万人を突破したのをはじめ、村内多くの飲食店などにおいて、オムライスなどトマトを利用した食品や加工品の生産流通、販売などにより、雇用の創出、地域の振興が図られております。今回の安倍首相による施政方針演説は、そうした取り組みの大きな後押しになるものと思いますし、本県産業振興全体の起爆剤となるものと期待をするものであります。そこで、本県の日高村が取り上げられた、
安倍首相の施政方針演説について、尾ア知事のご所見をお伺いしたいと思います。

日高村では、県の産業振興計画、地域アクションプランにおける日高村トマト産地拡大プロジェクトなどにより、トマトを中心に産業振興が図られ効果をあげられていますが、尾ア県政の進める産業振興計画は、そうした地域地域の身近な取り組みであり、多くの県民もその効果に期待をよせています。今後はそうした取り組み、言わばオザキノミクスを県下全体に波及させていく取り組みが求められると思いますが、その核となる、
産業振興計画における、新年度平成30年度の戦略のポイントについて、知事にお伺いしたいと思います。

また、安倍首相が日高村の取り組みなど、地方への思いを語られる中で、
社会保障分野の地方独自の取り組みを支援するための施策として、都市に偏りがちな地方消費税を、人口重視とした配分に見直すことにも言及されておられました、その具体的な内容について、総務部長にお伺いしたいと思います。

また、税制改正によって再来年度から、国全体で森林を支える仕組みの新たな国税として仮称森林環境税が創設されるとのことでありますが、国民への課税、徴収は復興特別税の徴収の終了する、平成36年度からとされるものの、森林環境を取り巻く状況などから、課税より前倒して、平成31年度から仮称森林環境譲与税が地方に譲与されるとのことであります。そこで、
仮称森林環境譲与税の配分見込みと本県に与える効果について、林業振興・環境部長にお伺いしたいと思います。

次に、市町村の発行する証明書等のコンビニ交付についてお伺いします。
コンビニ交付は、マイナンバーカードや住民基本台帳カードを利用して、住民票の写しや印鑑登録証明書、納税証明書等の市町村の発行する証明書が全国のコンビニエンスストア等のキオスク端末と呼ばれるマルチコピー機から取得できるサービスで、お昼休みや夜間・休日など市町村窓口が開いている、なしにかかわらず、利用者の都合に合わせて住民票などの証明書が取得できることや、お出かけ先などで証明書が急に必要となった場合などでも、全国どこのコンビニエンスストアにおいても証明書が取得できることなどから、住民の利便性の向上が図られるとして、全国で普及が進んでいる行政サービスの一つです。そこで、
コンビニ交付の全国市町村の導入状況と本県における導入の現状について、総務部長にお伺いします。

次に介護サービスについてお伺いします。国の介護保険制度から、市町村に移行した軽度者向け介護サービスについて、厚生労働省は本年1月時点の調査結果として、全国で250の自治体が、事業所の人手不足や撤退などによりサービスの継続が困難となっていることを公表しました。そこで、
本県における軽度者向け介護サービスの現状について、地域福祉部長にお伺いしたいと思います。

市町村に移管された、軽度者向け介護サービスの継続が全国的な問題ともなっていますが、過疎高齢化の進んだ中山間地域においては、もともとボランティアさんなど、地域の人的資源が少なく、ヘルパーさんなど介護人材の確保が深刻化しています。新たな軽度者向け介護サービスの担い手を確保することは困難を極め、さらには既存の介護事業所が軽度者のサービスも担っていることから、介護保険制度のサービスそのものの継続も困難となっている自治体もあります。昨年2月議会において、中山間地域の訪問介護サービスが、ホームヘルパーさんの人材不足により、日数の制限など、本来受けられる介護サービスが受けられない状態となり、ホームヘルパーさんが来られない日には、要介護者を高齢者が介護する、いわゆる老々介護状態となるなど、要介護者世帯の日々の生活への不安が増大している状況について質問させていただきましたが、そうした自治体では、厳しい財政状況の中で、ヘルパーさんの報酬に月額1万円を助成することや、新規の介護就業者に15万円から20万円の就業支援金を出すなど、独自に介護人材の処遇改善、確保対策事業を行っています。そうした課題は、今は一部山間地域の自治体の限定的な課題かも知れませんが、今後は川上から川下におこってくることも予想されます。介護保険制度は、利用者が必要なサービスを受けられ、安心できることが大前提でなければなりませんし、住んでいるところによってサービスに差があってはならないと考えます。そうした、
山間過疎地域の介護サービスの実態の把握と今後の対応策について、地域福祉部長にお伺いしたいと思います。

今年は、3年に一度の医療、介護報酬の改定の年ですが、介護報酬全体の改定率は0.54%、障害福祉サービスについては0.47%の引き上げが示されており、プラス改定は介護現場の処遇改善による人手不足の解消を図ることが目的とされています。国の平成30年度予算においては、人づくり革命や生産性革命を重点施策として、経済の再生と財政の健全化の両立を図ることが示され、人づくり革命においては、全世代型の社会保障への転換を図るとして、保育士や介護人材の処遇改善や幼児教育の段階的無償化、給付型の奨学金など、人への投資を拡充することが掲げられています。また、まちひとしごと創生総合戦略において、東京一極集中の是正、地方への新たな人の流れを作るために、若者が地方で安心して働き、結婚、子育てができる環境を整えることなどが掲げられています。これまで本県、知事から国への政策提言もあり、全国的にも介護従事者の処遇改善が図られてきました、2019年10月から、介護サービス事業所において勤続年数10年以上の介護福祉士について、月額8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠に処遇改善も図られるとのことでありますが、全国より10年早く高齢化が進んでいると言われる本県にとって、今後、介護人材は増々不足していきますし、ただでさえ少ない若者もどんどん都会へ流出しています。そうした状況の下、様々な施策を打ち出す国と厳しい現状の市町村の間で、県の果たすべき役割は増々重要となってきていると思います。

過疎、高齢化が進む本県において、地域の介護や福祉施設は数少ない雇用の場でもあり、産業ともなっています。産業福祉の概念、視点からの介護や福祉従事者の処遇改善の取り組みも検討に値するのはないかと考えますが。
人材確保対策、若者定住対策をパッケージとした、産業福祉の観点からの介護従事者の処遇改善について、知事のご所見をお伺いしたいと思います。

次に、買物弱者対策についてお伺いします。中山間、奥山間地域では、少子高齢化とともに、売り上げの減少や後継者などの担い手がいなくなるなどして商店が少なくなってきています。そうした地域において、高齢などにより自動車が乗れなくなると買い物など生活に不便をきたすようになります。そうした、いわゆる買物弱者と呼ばれる方々の生活に必要な食料品や日常生活用品の確保に欠かせないのが、移動スーパーなどの移動販売業者です。移動スーパーは、食料品や日常品などを、バスやトラックに大量に積み込み、近くに商店がないような場所で生活する方々に、日常生活で必要な物資を運んでくれる、特に山間過疎地域の一人暮らしの高齢者などには、なくてはならない、命をつなぐと言っても過言でない、大切な暮らし、生活のより所となっています。中には1軒の一人暮らしの方だけのために、山間地域の狭い道を時間をかけて来てくれる業者さんもいます。山道は狭く険しいです、そうした場所に商品を大量に積み込み、大きい車で行くとなれば、危険も伴い、運転技術もそうとう上手でなければなりません。過疎高齢化が進んだ地域では、今日も大手から小規模商店まで様々な移動販売業者の皆様の採算度外視でお客様を思う優しい気持ちに支えられた、地域の高齢者の見守りも兼ねた、生活のサポートが行われている実態があります。そうした、
移動販売業者の実態の把握について、中山間振興・交通部長にお伺いしたいと思います。

また、特にそうした山間部の高齢者世帯の生活に欠かせないサービスとなっている移動販売業者のサービスを継続していただくために、負担の大きい燃料費用などの、移動販売業者に対するランニングコスト低減のための支援について、中山間振興、交通部長のご所見をお伺いします。また、本県では、集落活動センターにおいて、買い物弱者対策が行われている地域もあると思いますが、
これまで設置された集落活動センターの中で、地域コンビニのような、商店機能のある集落活動センターの数と集落活動センターで行う買い物弱者対策について、中山間振興・交通部長にお伺いしたいと思います。

次に、特別支援教育についてお伺いします。県立日高養護学校高知みかづき分校は、平成23年、高等部のみの知的障害特別支援学校として設立され、「地域に愛され地域貢献のできる人材の育成」を教育目標に、卒業生全員の確実な就労と就労の継続をめざして、専門的な知識や技能を習得するための職業教育に特化した教育課程の実践を行っています。職業自立に向け、県内企業や団体、専門学校などとの連携により、フードビジネスや、環境サービス、物流実務といった職業実務も授業に取り入れておられ、校内店舗の「イエロークロワッサン」は、パンやケーキの製造販売などにより、開店以来1万人を超える来客があるなど、実践を通じた交流の場が地域の人気店にもなっています。

そうした成果などから、卒業生の一般企業への就労率は、平成27年度90%、平成28年度93.3%と高く、これまで多くの卒業生の皆さんが、県内の企業に就労し即戦力として活躍されています。また、入学志願者も今年度平成29年度の定員16人に対して29人もの志願者があるなど、同校への需要は高く、この傾向は今後も続いていくことが予想されています。そうした取り組みの一方で、物流実務の多様化や外部からの受注業務の増加への対応に必要となる、パソコンやプリンタなどのOA機器や、インターネット環境など時代に即した整備の遅れや、生徒が安全で理解しやすい作業スペースの不足など、生徒の障害特性に応じた教育の実践に伴う、特別支援学校特有の課題も多くなっており、早急な対応が必要となっていると思われます。
県立日高養護学校高知みかづき分校における、施設を含めた教育環境の整備について、田村教育長のご所見をお伺いしたいと思います。

また、近年、発達障害を合わせ有する方の割合も増加してきており、障害特性や発達の異なる生徒一人一人に応じた指導、時代に即した教育環境の整備がより求められるようになってきている現状もあります。そこで本県の
特別支援教育の現状と課題を踏まえた今後の取り組みについて、教育長のご所見をお伺いします。

次に新たな管理型産業廃棄物最終処分場の整備についてお伺いします。
平成23年から稼働の始まった、県内唯一の管理型産業廃棄物の最終処分場である、日高村のエコサイクルセンターが、予想以上の早さで満杯となることから、県はこれまで有識者などによって構成される検討会などによりその対応策を検討、協議されてきました。検討会においては、公共の関与による新処分場の整備、埋め立て期間を20年とすることや埋め立て容量を17万から23万立米とすることなどが決定され、この報告を受けた県はこれらの内容を踏まえた基本構想を策定され、昨年6月からは、「新たな管理型最終処分場候補地選定委員会」において、候補地の選定に向けた議論が重ねられ、先月開催された第6回の委員会において新たな最終処分場の候補地として、須崎市、佐川町、香南市の3か所を適地として絞り込み、現在候補地となった自治体の首長や議会など、地元への説明が始まっています。基本構想の策定から最終候補地3か所の選定までは、有識者の委員会においては、透明性と客観性を基本に議論が進められてきたものと理解していますが、
最終候補地の決定に際して考慮された評価項目について、林業振興・環境部長にお伺いします。

新たな処分場の整備にあたっては、今後住民への説明など丁寧な対応が求められるのは言うまでもありませんが、住民の皆様の一番の関心は施設の安全性だと思います。

そこで、新たな処分場に持ち込まれる廃棄物の内容と有害物質の有無、水質など環境への影響も含めた施設の安全性及び安全対策について、林業振興・環境部長にお伺いします。また、一昨年に、
日高村の管理型産業廃棄物最終処分場エコサイクルセンターで発生した発煙事象の原因とその後の対応策について、併せて林業振興・環境部長にお伺いします。

今後、処分場の最終的な絞り込みにあたっては、対象となる自治体、地域や近隣住民、議会などへの情報提供、説明会の開催など、地元の合意形成に向けた丁寧な対応が最も重要であることは言うまでありません。地元住民や自治体の理解を得るため、知事のリーダーシップが求められる場面も想定されます。先日の桑名議員の質問と重複する部分もあると思いますが、
新たな管理型産業廃棄物最終処分場の整備に関して、知事の決意をお聞かせいただければと思います。

次に全国レクリエーション大会についてお伺いします。今年9月に本県で初めて開催される第72回全国レクリエーション大会in高知は、全国からレクリエーション愛好者やその関係者が集い、様々な種目を通じ、健康増進や交流を図られるもので、子どもから高齢者まで、多くの県民がレクリエーション・生涯スポーツを身近に感じることができる絶好の機会でもあります。そこで、
全国レクリエーション大会の準備状況と、機運の醸成について、文化生活スポーツ部長にお伺したいと思います。

最後に、動物愛護の取り組みについてお伺いします。私は30年ほど前、村役場の狂犬病予防の担当者として、野良犬や引き取り犬を捕獲や収容する業務をさせていただいたことがありました。凶暴な野犬などから地域住民を守るための捕獲などの対応は、常に危険と隣り合わせで、とにかく目の前の動物を捕獲し、住民や自分の安全を確保することに必死で、そこに動物に対するや愛護や思いやりの気持ちの余裕はなかったように思います。今振り返って考えると、自分自身、反省する部分も多くあるのですが、当時ペットや動物と、行政がかかわるとき、動物側の視点、動物愛護の観点は、ほとんどなかったように思います。人間の欲求、欲望により飼われ、人間の生活に支障をきたすようになれば、人間のエゴにより捨てられ、野犬になると人間への危害の恐れから行政によって捕獲され、最後の最後にたどり着いた小動物管理センターも安住の地ではなく、引き取り手がない場合、やむをえず殺処分されることになってしまいます。本県では、現在中央、中村両小動物管理センターにおいて、そうした不幸な犬や猫の殺処分を少しでも減らすため、動物の適正飼養の普及啓発や不妊手術費用への助成、小動物管理センターの拡充、譲渡ボランティアや譲渡会の開催など、動物愛護に関する取り組みが行われています。そこで、
本県における犬猫の収容及び処分頭数の推移について、健康政策部長にお伺いします。

小動物管理センターの業務は、以前と違って狂犬病予防対策だけでなく、猫の引き取り、動物愛護の観点など、時代の変化とともに多種多様化してきています。私自身も中央小動物管理センターに何度か行かせていただきましたが、老朽化が進み手狭な施設で、職員の皆さんは毎日のように運び込まれる犬や猫の命を預かり、多様化する業務や殺処分を無くすために懸命な努力、取り組みをされています。しかしながら、その対応には限界もあると思われます。そこで中央、中村両小動物管理センターの現状とセンターの運営の課題について、また併せて、
委託業者への県による監督及び指導について、健康政策部長にお伺いします。

小動物管理センターついては、昭和56年に設置された当初は狂犬病予防対策が主で、犬と猫の譲渡や動物と触れ合うスペースなど、動物愛護の機能が弱かったことは事実だと思います。そうしたことなどから、県を中心に動物愛護に関する動物愛護管理推進計画の策定、さらには、動物愛護センターの設置が検討され、今年度より有識者などによる動物愛護センター整備基本構想検討会も開催されるなど、動物愛護のための施設の整備や機能などについて議論が行われていると理解しています。殺処分ゼロに向けて、新たな動物愛護センターの設置には大変期待も大きいと思いますが、以前坂本茂雄議員が質問の中でもおっしゃられていましたが、殺処分ゼロに向けて、本当に大切なのは、センターに入ってくる前、いわゆる川上の取り組みこそが大切だと思います。新たに動物愛護の推進拠点として整備予定の動物愛護センターには、動物も人も命を大切にする教育、愛護教室や普及啓発活動などにも重きを置いた運営をお願いしておきたいと思います。また、動物の管理や処分などについても、引き続き行政の責務として適正にしっかりと対応していただきますようお願いしておきたいと思います。そこで、ご自身も大変な愛犬家であられる、
尾ア知事に動物愛護への思いと、設置が検討されている動物愛護センターに期待することについて、お伺いして第1問とさせていただきます。
 
 
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●尾ア正直知事
この50年間を振り返っての所感につきまして、お尋ねがございました。
大野議員が述回されましたように、この50年間、我が国を取り巻く状況には大きな変化や出来事がございました。私や大野議員の世代は、年少期に高度成長期を経験し、学生時代までは概ね人口も経済も右肩上がりの成長の時代であった一方、社会人として世に出た後は、バブル崩壊によって失われた20年と呼ばれる経済が長期に低迷する事態となり、さらに人口も減少局面に入るといった厳しい時代への突入を経験してまいりました。まさに、この国の上り坂とそこから転じた下り坂を体感してきた世代でもあります。そして、この背景には、常に、グローバル化の進展とその加速という一貫した時代の流れがあったと考えているところでございます。

現在は、経済も上向きになりつつあり、再び上昇期を迎えようとしておりますものの、他方で、グローバル化がますます加速する中で、急速な少子高齢化の進展と本格的な人口減少といった大きな課題を抱え、これからは誰もが経験したことのない時代に突入するものと考えられます。今後、このような事態を切り開いていくためには、時代の大きな変化の根底にある時代の基調を捉え、この根本に当たるものに対応していくことが求められていくものと考えます。こうしたこの国の基調の転換期、上昇期と下降期をともに見てきた我々世代の経験と感覚は、新たな時代を貫く基調を捉えることに幾分が役立つのではないかと考えるところであります。私としては、引き続き同年代の多くの皆様からもお知恵を賜りながら、本県を課題先進県から課題解決先進県とすべく全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。


次に、新しい時代におけるこの国の理想の姿とそれに向かっての決意について、お尋ねがございました。
現在の我が国は、急速な少子高齢化と人口減少といった、かつて経験したことのない大きな課題に直面しており、この克服に向けて新たな挑戦をしていかなければならない時代を迎えております。
このような時代における目指すべき国の姿を思い浮かべますとき、私は、現状のような東京一極集中が進む国ではなく、地域地域がそれぞれの持つ潜在力を十分に生かし切ることよって、それぞれの地域が広く世界とかかわりを持つ、これにより、それぞれが人口減少下にあっても、持続的発展を遂げるという、そうした国づくりが必要ではないかと考えているところです。すなわち、都市は都市、地方は地方、山は山、野は野、海は海がその魅力を存分に発揮して、世界と交われば、地域地域に若者が定着し、さらに、地域地域の多様性があるがゆえに、時代の変化にも、また、大災厄にも強靭さを発揮することのできる国家となり得るのではないかと考えているところでございます。
そのためには、日本各地のそれぞれの地域において、その地域地域の強みを生かし、地域に残りたいと願う若者の希望がかなえられる多様な仕事を生み出していくことが必要となってまいります。特に、本県の県政浮揚に向けましては、その本来の強みである中山間地域の潜在力を生かすことが重要でありますことから、これまで、それぞれの地域がもともと持っていた強みを生かして、地産の強化を進め、そして、外に打って出る外商に力を注いできたところであります。今後も地産外商が進み、地域地域で若者が誇りと志を持って働ける高知県の実現に向け、産業振興計画を始めとする県勢浮揚に向けた取り組みを全力で進めてまいります。そして、この県政浮揚への取り組みを続けていくことによりまして、多様性があるがゆえに強靭で豊かな国、こうした国づくりに向けて本県としても役割を果たしてまいりたいと、そのように考えているところでございます。

次に、火山による災害のおそれを運転差し止めの理由とした広島高裁の決定を踏まえた伊方原子力発電所の稼働に対する所見について、お尋ねがありました。
伊方発電所3号機については、昨年10月から定期検査により運転を停止し、本年1月に送電再開を予定していたところ、昨年12月に広島高裁において、運転差し止めを命じる仮処分決定を受け、現在停止している状況であります。この広島高裁の決定に対し、四国電力が仮処分の執行停止と保全異議の申し立てを行い、現在も係争中でありますことから、決定そのものについての所見を述べることは差し控えさせていただきます。
他方、四国電力が原子力規制委員会に対して説明を行い、認められた火山の影響評価については、本県として改めてより詳細な内容聞くために、2月2日に第18回目となる勉強会を開催し、詳細な説明を受けるとともに、不明な点などに対して丁寧な回答をいただいたところです。その内容については、伊方発電所に影響を及ぼす可能性のある火山について、まず、火砕流などの火山事象の評価を行った結果、火砕流の敷地への到達はないことなどから、発電所の運用期間中に影響を及ぼす可能性はなく、伊方発電所の立地に影響はないと評価されているということなどでありました。この中で、阿蘇については、地下のマグマだまりが巨大噴火直前の状態ではないと判断されることなどから、伊方発電所の運用期間中に巨大噴火が起こる可能性は十分小さいと評価されています。また、火山灰については、これまでの火山灰の痕跡を基本に風向、風速等を厳しい条件に設定しシミュレーション行った結果、最大の厚さは15センチメートルと評価されており、重要な建物は火山灰による荷重に対して構造上問題がないことなどが確認をされております。こうした評価は、具体的な数値などを交えながら行われており、一定合理的なものであると考えておりますが、現在係争中であることから、この中でさらに議論が深められていくものと考えております。
今後、異議審等の動向を注視するとともに、新たな知見などが出てまいりましたら、勉強会などを通じて、四国電力に対してさらに説明や対策を求めてまいりたいと考えております。

次に、原子力発電への依存度の低減に向けた取り組みの現状と、原子力発電ゼロへの具体的な検討について、お尋ねがありました。
本県においては、平成23年度から、新エネルギービジョンに基づき、再生可能エネルギーの導入促進に取り組んでおり、この取り組みは原子力発電への依存度の低減につながるものと考えております。これまでに導入された再生可能エネルギーによる発電設備の出力容量は、平成24年度に始まった固定価格買取制度の追い風もあり、平成23年度当初の約8万6,000キロワットから、平成28年度末には約41万1,000キロワットとなり、この16年間で約4.8倍と大きく伸びております。この間、県としましても、県内2カ所、合計出力約1万3,000キロワットの木質バイオマス発電所への支援や、県内7カ所、合計出力約1万キロワットの高知型地域還流再エネ事業による太陽光発電事業への出資などの取り組みを進めてきたところであります。
県としましては、今後さらなる再生可能エネルギーの導入を促進した上で、大きな課題となっております送電網の増強などについて、国に対する政策提言を続けていくとともに、自家消費等のエネルギーの地産地消を促進するなど、原発に依存しない社会の実現を目指した取り組みを進めてまいります。加えて、四国電力に対しても、株主総会や勉強会を通じて、再生可能エネルギーの積極的な導入などの具体的努力を続き求めてまいります。

次に、これまでのアベノミクス政策への評価と、本県経済への波及効果について、お尋ねがございました。
国においては、これまで、安倍総理のリーダーシップのもと、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3本の矢を放ち、デフレからの脱却と経済の再生を目指して施策の展開を図ってきました。こうしたいわゆるアベノミクスによる経済対策により、平成24年12月に始まった現在の景気拡大局面も6年目に入るとともに、実質国内総生産が約28年ぶりとなる8四半期連続のプラス成長となるなど、国の各種経済指標は改善を続けており、我が国経済は着実に回復してまいりました。
しかしながら、物価の上昇ペースに比べ、賃金は緩やかな伸びにとどまっているほか、地方の隅々にまで景気回復の実感が十分行き渡っていないという声も聞かれるところです。一方、昨今の有効求人倍率の上昇に伴い、全国的に人手不足感が強まってきております。こうした中、国においては、昨年12月にアベノミクスによる経済の成長軌道を確かなものとし、持続的な経済成長を成し遂げるため、人づくり革命と生産性革命を大きな柱とする新しい経済政策パッケージを定め、さらなる経済成長に向けた取り組みを進めることとしたところであります。こうした取り組みを通じて、アベノミクスの効果が全国津々浦々に浸透するよう、国においては引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。
一方、本県経済は、産業振興計画による取り組みを開始して以降、県内総生産がマイナス成長からプラス成長に転じるなど、今や人口減少下においても拡大する経済へと構造を転じつつあります。このことは、県内の多くの皆様が地産外商に取り組んでこられた成果でありますが、アベノミクスによる追い風も大変大きな力になったものと考えております。しかしながら、一人当たりの県民所得や現金給与総額は、いまだ全国に比べて低い水準にとどまっているほか、人口の社会減が継続しているなど、さらなる努力が求められるところです。加えて、全国的な人手不足の中で、本県においても人手不足への対応が課題となっております。このような中、成長の壁を乗り越える、成長に向けたメインエンジンをさらに強化するを2本の柱として、産業振興計画をバージョンアップしたところです。引き続き、アベノミクスを追い風として、本県経済のさらなる成長に向けて、産業振興計画を力強く進めてまいります。

次に、日高村が取り上げられた安倍首相の施政方針演説について、お尋ねがありました。
安倍総理の施政方針演説において、2年連続で本県に関することを取り上げていただいたことは、大変光栄なことであります。また、本県の取り組みが全国的に紹介されたことを大変うれしく感じております。今回紹介された日高村におけるソースやジャムなどのトマト加工品を製造販売する取り組みは、これまで食品関連産業人材を育成するために高知大学が実施しておられる土佐FBCや地産外商公社などの施策を積極的に活用してこられ、今や県外の有名百貨店などでも商品が取り扱われるまでに成長しておられます。演説で紹介された安岡さんを始め、関係者の皆様のこれまでの御努力に対して、心から敬意を表するところであります。この日高村における取り組みは、産業振興計画に基づき、県内各地で展開されている産学官民連携による地産外商の1つの事例であり、ほかにもたくさんの皆様が地域アクションプランや、クラスタープロジェクトなどにより、地産外商に取り組んでおられます。施政方針演説において、日高村における取り組みが地方創生の好事例として取り上げられたことは、県内各地で取り組む皆様にとっても大きな励みになったものと思います。
県といたしましては、こうした県内各地の取り組みを市町村と連携してしっかりと支援するとともに、さらに、広がりを持たせてまいります。あわせて、国に対しては、引き続き地方創生の取り組みに対する支援をしていただけることを期待しているところです。

次に、産業振興計画における平成30年度の戦略のポイントについて、お尋ねがございました。
産業振興計画の平成30年度の戦略のポイントは、全雇用状況下における持続的な拡大再生産の創出に向け、成長の壁を乗り越える、成長に向けたメインエンジンをさらに強化する、この2つの施策群を大幅に強化することであります。
まず、第1の成長の壁を乗り越える施策群については、完全雇用状態を背景とする人手不足がさらに深刻化している中、今、この課題に真正面から取り組まなければ、人手不足が原因で、地産外商の拡大や新たな挑戦を諦めてしまう事業体がふえ、本県経済の成長にブレーキがかかることが懸念されることから、新たに政策の柱として位置づけ、その強化を図るものであります。具体的には、働き方改革の推進はもとより、新規卒業者や移住希望者などにアクティブに働きかける仕組みの強化といった、担い手の確保策を抜本強化するとともに、設備投資の促進や第一次産業における機械化、IOT化といった省力化、効率化の徹底に向けたサポートを強化してまいります。

次に、第2の成長に向けたメインエンジンをさらに強化する施策群については、人口減少の下押し圧力に屈することなく、本県経済が先々にわたって成長し続けていくために、メインエンジンの出力をさらにもう一段上げるものであり、先々にわたる成長を確保し続けるために一番重要な施策群であると、考えているところです。具体的には、ITコンテンツ関連産業の集積、自然体験型観光の推進といった、継続的に新たな付加価値を生み出す仕組みを意図的に構築するとともに、海外への輸出の本格展開といった交易の範囲をさらに拡大する取り組みを強化してまいります。加えて、これらの取り組みを支える施策群として、特に、ITコンテンツアカデミーの開校や林業大学校の本格開校などの人材育成確保の取り組みと、全ての産業分野に広げ、金融機関などとの連携を強化して展開する事業戦略策定支援の取り組みの2つの取り組みも抜本強化してまいります。あわせて、お話にありました地域に経済波及もたらしていくためには、これら一連の強化した施策群を地域地域でしっかりと展開することはもとより、地域の方々の思いを具体の形にするためのサポートも重要であると考えております。引き続き、現在取り組んでいる241の地域アクションプランが、若者が住み続けられるよう多様な仕事を地域地域に創出していくことを目指した19の地域産業クラスター形成の取り組みをしっかりと進めてまいります。
加えて、来年度新たに、地域に経済波及をもたらす拠点施設の整備を支援する制度を創設し、地域での取り組みをさらに強力に支援してまいりたいと考えているところです。こうした大幅にバージョンアップした施策群を地域の産業団体の皆様や市町村の皆様などと連携して全力で取り組み、地域地域の経済成長につなげるべく努力を重ねたいと考えているところであります。

次に、産業福祉の観点からの介護事業者の処遇改善について、お尋ねがございました。
県におきましては、日本一の健康長寿県構想のもと、地域地域の介護ニーズに対応するため、施設サービスや在宅サービスの拡充と福祉人材センターと福祉研修センターの連携などによる人材確保策にバージョンアップを図りながら取り組んでまいりました。
こうした取り組みの中、第1期の健康長寿県構想を策定した平成22年から平成27年までに約2,400人の雇用が創出されており、特に中山間地域の多い本県においては、地域の貴重な雇用の場ともなっております。
また、健康長寿県構想と一体的に推進する現在策定中の第7期介護保険事業支援計画においても、来年度から向こう3カ年の計画期間中に、介護サービスの拡充に伴い、新たな施設整備と約1,500人の介護職員の雇用を見込んでいるところであります。
このように介護サービスを充実させることを経済面から見れば、地域における需要に対応する供給面の強化を図ることにより、より高いレベルでの均衡を図り経済効果と雇用を確保しようとするものということが言えると考えております。
しかしながら、近年さまざまな産業分野で人手不足感が強まっている中、介護人材の確保も厳しさがまし、とりわけ中山間地域は厳しい状況が続いているところであり、このような状況に対応するためにも、議員のお話にありました介護職員の処遇改善は欠かせないものだと考えております。
県といたしましては、介護職員処遇改善加算などの創設以来、県内の介護施設事業所に対しまして、その活用を呼びかけるとともに、平成29年度からは加算取得に向けた取り組みに対する県独自の補助も行っているところであります。また、平成30年度から本格実施します、介護事業所認証評価制度においても、処遇改善を評価基準の1つとしており、この認証取得を支援する中でも職員の処遇改善を働きかけていくこととしております。
加えて、昨年12月に閣議決定された新しい経済政策パッケージに盛り込まれた公費1,000億円程度の介護人材の処遇改善につきましても、事業者の方々の御意見もお聞きしながら、本県の実情を踏まえた内容となりますよう、全国知事会などとも連携しながら、政策提言を行ってまいりたいと考えております。
今後とも、日本一の健康長寿県構想をメインエンジンとして、地域のニーズに対応し介護サービスを拡充するとともに、必要な人材を確保することにより、地域の大きな経済効果と雇用にも結びついていくよう取り組んでまいりたいと考えるところでございます。

次に、新たな管理型産業廃棄物最終処分場の整備に関する決意について、お尋ねがありました。
県内唯一の管理型産業廃棄物最終処分場であるエコサイクルセンターには、平成23年10月の開業以来、当初の計画を上回る量の廃棄物が搬入されており、早ければ平成34年9月にも満杯となることが見込まれているところです。管理型産業廃棄物最終処分場は県内事業所の安定した経済活動を下支えしており、産業振興計画を推進していくためにはなくてはならない重要な施設であることから、昨年6月有識者などによる新たな管理型最終処分場候補地選定委員会を設置し、新たな施設の整備に適した候補地の選定作業を進めてまいりました。この委員会において、さまざまな観点から審議が重ねられてきた結果、先月一日に開催された第6回委員会において、3カ所の最終候補地が選定をされました。委員会での候補地の選定過程については、土地の先行取得などを防ぐためやむを得ず非公開で進めてきたことから、最終候補地が選定された同日に、それまでの候補地選定過程の透明性を確保するため、非公開とされた審議も含め、委員会において用いた資料を全面的に公開するとともに、審議の経過についても詳細に御説明させていただいたところです。
他方で、最終候補地の公表は、地元の皆様にとっては突然のこととならざるを得なかったことから、地元への説明を速やかに行うこととして、これまでに、最終候補地となった3市長の首長を始め、香南市および佐川町の議会と、香南市の地域住民の皆様に、候補地選定の過程や新たな最終処分場の必要性や安全性などについて、御説明させていただきました。今後、須崎市議会及び須崎市と佐川町の該当地区の住民の皆様にも同様の御説明をさせていただく予定です。
関係者の皆様に対しては、管理型最終処分場が県内事業者の安定した経済活動を下支えするものであることなどから、県内に必要不可欠な施設であることや有害物を含まない廃棄物のみを受け入れる施設で、処分場を屋根で覆うとともに、水が漏れない構造としており、また施設内に散水した水を浄化して、巡回利用して施設外に一斉放流していないなど、周囲の環境に影響を与えない安全な施設であることを御理解いただけるように御説明させていただいております。
また、最終候補地となった3カ所は、防災の観点、及び、住民生活や環境の影響の観点など、合計33のスクリーニング項目をクリアした、災害の発生の可能性や地域住民の生活環境に影響を及ぼす可能性が著しく低く、廃棄物運搬の利便性が高い新たな施設の整備に適した土地であると考えられること、そして、これらの土地が客観的かつ科学的で透明性のあるプロセスにより選定されたことについても御理解いただけるよう、丁寧な上にも丁寧に御説明させていただいているところです。これらに加えて、施設の安全性などについて、さらに理解を深めていただけるよう、エコサイクルセンターでの現地見学会も計画しているところでございます。
今後、県としましては、地権者の御了解を得て、詳細な現地調査を行い、3カ所の候補地の中で、科学的に最適な場所はどこなのかという視点での検討を行うとともに、引き続き各候補地の所在する自治体の首長、議会、住民の皆様に丁寧に御説明させていただき、不安な点や疑問に思う点などに対して耳を傾け、1つ1つ誠意をもってお答えをさせていただくなど、住民の皆様を始めとする関係者の方々に寄り添いながら、最終処分場の整備について御理解をいただけますよう、しっかりと取り組んでまいります。

最後に、動物愛護への思いと、動物愛護センターに期待することについてのお尋ねがありました。
ペットは単に愛玩の対象としてだけでなく、人生に潤いと癒しを与えてくれるよきパートナーという存在であり、その命がまだまだ数多く失われているという現状はまことに残念なことです。
先日、須崎市立多ノ郷小学校で開催された、動物愛護推進員による動物愛護教室を視察させていただきました。そこでは、子供たちに命の尊さを考えてもらう素晴らしい取り組みが行われており、終わりには、参加した児童から、動物を途中で捨てない責任を持って飼い続ける大人になりたいとか、動物愛護のボランティア活動をしたいといった感想が発表をされました。こうした素晴らしい取り組みを長年にわたって続けてこられた、動物愛護推進委員の皆様方のこれまでの献身的な御尽力に心から敬意を表させていただきたいと、そのように思います。
今後とも、こうした取り組みなどを通じて、動物を愛護する心を育むことは、ひいては、命を大切にする心を養うことにつながり、他人を思いやる社会や人と動物が共生する社会の実現に大きな影響を与えるものと考えております。そのため、現在検討を進めている動物愛護センターには、県民の皆様が命を大切にする心を育める場として、動物と親しんだり、適正な飼い方に関する情報を得ることができるような拠点としての機能を充実させたいと考えております。
 
また、犬、猫の譲渡を進めるために、動物福祉に配慮した十分な収容スペースを確保して、収容動物を健康な状態で管理するとともに、ペットとしてのしつけができるような機能も持たせたいと考えております。
さらに、動物愛護センターは、南海トラフ地震などの大規模災害時に発生する可能性の高い、被災者のペット同行避難に向けた啓発を始めとする、動物にかかわる災害対策の拠点施設しての役割を担っていくべきだと考えております。
なお、犬、猫の殺処分数を減らすためには、議員御指摘のとおり、川上対策が最も重要だと考えており、来年度は新聞や雑誌を使って適性使用に向けた啓発広報をさらに充実するとともに、猫の不妊手術の助成頭数を900頭から1,200頭に増加させるなど、その対策を一層強化してまいりたいと考えているところです。
さらに、さらなる強化策について、検討を重ねたいとも考えております。



●梶元総務部長
まず、地方消費税の配分の見直しの内容について、お尋ねがございました。
地方消費税は、その税負担を最終消費者に求めるものでありますことから、最終消費地と税収の帰属地を一致させる必要がありまして、このための仕組みとしまして、都道府県間の清算制度が設けられております。この清算基準につきましては、平成9年度に地方消費税が導入されて以来20年が経過しましたことから、サービス産業化の進展など社会経済情勢や統計制度の変化等を踏まえまして、社会保障財源として充実化が図られている地方消費税の税収をより適切に最終消費地に帰属させるために、清算基準の抜本的な見直しが行われたところでございます。
具体的には、消費の実態を踏まえ、清算基準における統計データの利用方法を見直しまして、統計データとしてそのまま利用するのは適当ではないものとして、売上額が本店で一括計上されているものや、持ち帰り消費等が多いもの、医療、福祉など非課税取引に該当するものについては除外することとし、その結果として統計データがカバーする比率を現行の75%から50%に改めております。
また、統計データのカバー外の消費代替指標につきましては、地方消費税創設当初と比べてサービス統計の調査対象が大きく拡大したことを踏まえまして、7.5%を占めていた従業者数は用いないこととし、人口の比率を17.5%から50%に高めております。
地方消費税の清算基準の見直しに当たりましては、まず、消費動向を正確に把握して、その動向そのものをしっかりと反映していくことが大事だと考えております。その上で、統計上の制約などにより、消費動向を正確に反映し切れないところにつきましては、人口をその代替指標としてしっかりとこれに重きを置いていくべきではないかと考えており、これまで、全国知事会でも提言してきたところです。先ほど申し上げました今回の見直しの内容につきましては、本県の考えと同一のものであり、適切なものであると考えております。

次に、市町村が発行する証明書のコンビニ交付にかかる全国市町村の導入状況と本県における導入の現状について、お尋ねがございました。
住民票等のコンビニ交付サービスは、マイナンバーカードを利用して、全国のコンビニエンスストア等で住民票の写し等を取得できるサービスであります。全国の市町村においては、本年2月15日時点で501の市区町村で導入されております。一方、本県においては、現時点でコンビニ交付サービスを導入している市町村はございません。


●田所林業振興・環境部長
仮称森林環境譲与税の配分見込みと、本県に与える効果について、お尋ねがありました。
仮称森林環境贈与税については、森林環境税とともに平成31年度税制改正において創設するとする平成31年度税制改正大綱が、昨年12月に閣議決定されています。仮称森林環境贈与税は、平成31年度から市町村と都道府県に配分が開始され、市町村の体制整備の進捗に伴い、徐々に増加することとされており、当初は全国で年間約200億円、平成45年度からは年間約600億円の配分が見込まれています。国が示した配分基準に基づき、本県への配分額を試算したところ、平成31年度は市町村に約5億7,000万円、県に約1億4,000万円の合計約7億1,000万円と見込まれます。その後、配分額は段階的に増額され、平成45年度以降は市町村に約19億円、県に約2億円の合計約21億円となる見込みです。
この譲与税が措置されることにより、本県においてもこれまで課題であった自然的条件が悪く、採算ベースに乗らない森林の整備を進めることができるようになり、地球温暖化防止を始め、災害の防止や水源の涵養など森林の持つ公益的機能の維持増進につながるものと考えています。また、広大な森林を抱える本県において、持続的に適切な森林整備が行われることとなり、中山間地域における雇用の場の確保に、ひいては、中山間地域の活性化にもつながることが期待されます。
仮称森林環境贈与税については、今後、その制度の詳細が明らかになってまいりますので、県としましては、平成31年度の創設に向けて情報収集に努めるとともに、各市町村がこの譲与税を有効に活用して、適切な森林整備を進めることができるよう、市町村の体制の整備や人材の育成確保に向けて、しっかりと取り組んでまいります。

次に、新たな管理型最終処分場の最終候補地の決定に際して考慮した評価項目について、お尋ねがありました。
まず、新たな管理型最終処分場候補地選定委員会における候補地選定の進め方につきましては、委員会において、全国の最終処分場整備事業にかかわる多くの人関係者の手引書として活用されている廃棄物最終処分場整備の計画設計管理要領に示された手法を基本としつつ、他県の公共関与による管理型最終処分場の選定手法も参考することとされました。
選定の手法としましては、まず、約71万ヘクタールある県土の中から、候補地選定の対象とするエリアが設定されました。具体的には、県下全域から最終処分場の建設が基本的に困難と考えられる法規制等のある区域や、防災及び土地利用の観点から適さないと認められる区域を除くとともに、利用者の利便性を考慮して、高知市中心部からおおむね1時間の範囲とされ、約10万3,000ヘクタールが候補地選定の対象エリアとされました。
ついに、このエリアから、新たな施設に必要となる5.5ヘクタール以上を確保でき、幹線道路から2キロメートル以内であり、谷地形または平坦地で土地の勾配が14%以下であること、そして、事業用地等として利用されていないことを条件として、それらに適合した104カ所が抽出されました。また、候補地選定に係る土地の公募に対し、公募のあった4カ所について、先に抽出した104カ所と同じ条件を当てはめたところ、1カ所がクリアしたことから、その1カ所を加えた合計105カ所を最初の候補地とし、その後、委員会に置いて3段階にわたる絞り込みが行われました。
このような候補地の抽出や絞り込みにおきましては、防災の観点、地域住民の生活や環境への影響の観点、廃棄物運搬の利便性の観点などによる評価項目を各段階において設定し、候補地の評価を行いました。例えば、防災の観点からは、土砂災害危険個所の該当の有無や災害発生のリスクを判断するための地形判読など、住民の生活や環境への影響の観点からは保育所、学校及び病院の立地状況や水道水源の状況など、廃棄物運搬の利便性の観点からは幹線道路からの距離など、合計33の項目により評価をいたしました。中でも、防災の観点につきましては、委員会において最も重視した要素であり、全ての段階において評価項目として設定されたところでございます。
このような絞り込みを経て、最終候補地に選定された3カ所につきましては、災害の発生の可能性や、地域住民の生活や環境に影響を及ぼす可能性が著しく低く、廃棄物運搬の利便性が高い新たな施設の整備に適した土地であると考えてられます。最終候補地となった地域住民の皆様を始めとする関係者の皆様には、施設の安全性や必要性とともに、このような選定過程を経て、最終的に選定されたことも御理解いただけるよう引き続き丁寧に御説明させていただきたいと考えております。

次に、新たな処分場に持ち込まれる廃棄物の内容と施設の安全性及び安全対策について、お尋ねがありました。
まず、新たな処分場に持ち込まれる廃棄物につきましては、現在エコサイクルセンターに持ち込まれている廃棄物と同じものになると考えています。エコサイクルセンターでは、金属製品の製造工場などから排出される鉱滓や家屋等の解体に伴う石こうボード、建築廃材等を焼却した後の燃え殻など、水分が少なく、乾いた状態の廃棄物が多く持ち込まれています。
また、エコサイクルセンターは、管理型の最終処分場であることから、法令により有害物は持ち込めないことになっていますし、持ち込まれる廃棄物は定期的な検査により有害物が含まれていないことが確認されています。また、施設側でも、持ち込まれた廃棄物の中から任意に抜き取り検査を行っておりますが、これまで有害物は持ち込まれておりません。
新たな処分場の構造に関しましても、エコサイクルセンターと同様とすることを考えています。エコサイクルセンターの構造は、処分場の上部を屋根で覆っているため、埋め立てた廃棄物や埋め立て作業に伴い発生する粉じんが外部に飛散することはありません。埋立部分の周囲は、国が示す基準を満たすよう、遮水機能を備えたシート等によって囲っているため、汚水が外へ漏れ出ることもありません。さらに、処分場内に散水を行うことにより、粉じんの発生を防ぐとともに、埋め立てた廃棄物に付着している汚れを洗い流していますが、その汚水は施設内において浄化処理を行った上で、再び散水に利用することとしており、水は一切施設外に放流されていません。
地震対策としましては、耐震基準を満たす構造としていますので、新たな処分場におきましても、建設予定地の地形や地質等に応じて、万全の耐震対策を講じてまいります。
また、エコサイクルセンターでは、万が一に備えて、処分場の下を流れる地下水や周辺の河川の水などの検査も行い、安全を確認しています。
これらの情報は、全てホームページにおいて公開しているほか、地域の皆様との意見交換の場においても説明をしており、積極的な情報の公開に努めています。
エコサイクルセンターでは、次にお答えさせていただきます、発煙事象はありましたものの、平成23年10月の開業以来、そのほかにトラブルなどはなく、持ち込まれる廃棄物を適正に埋め立て処分してきています。新たな処分場におきましても、エコサイクルセンターをモデルとしまして、県民の皆様に安心していただくことができる安全な施設として整備してまいります。

最後に、エコサイクルセンターで発生した発煙事象の原因とその後の対策について、お尋ねがありました。
一昨年の8月29日と9月の2日に発生しましたエコサイクルセンターの発煙の原因につきましては、専門家や試験研究機関にも御協力いただきながら、その特定に努めておりましたところ、昨年7月、仁淀消防組合消防本部により、1回目の発煙は埋め立て管理中の鉱滓に含まれていたアルミニウム、もしくは、酸化カルシウムの一方または両方と建物内に侵入した雨水とが反応して発熱した可能性があり、その反応熱の蓄積により壁面の遮水シートなどを焼損したもの。また、2回目の発煙は、1回目の発煙で使用した消火用水により、1回目と同様に鉱滓中の成分の反応熱の蓄積により鉱滓を入れていた袋を焼損したものと推定すると結論づけられました。
発煙事象発生後の対応としましては、雨水が処分場内に侵入した原因が雨どいの不具合であったことから、直ちに雨どいの修繕を実施し、万一に備え、壁面の遮水シートに影響を及ぼさないよう、壁際に埋め立てていた鉱滓を中央部に移動させ、24時間の監視体制をとるとともに、発煙した鉱滓を搬入した事業者からの受け入れを中断するなどの対策を講じ、あわせて、発煙により損傷した遮水シートを修復いたしました。
 再発防止対策としましては、鉱滓の輩出事業者にも御協力をいただき、次のような取り組みを行うことといたしました。まず、鉱滓を搬出する前に、事業者は搬出予定の鉱滓に一定量の水を加え、熱反応が生じないことを確認し、管理表にその旨を記載した上で搬出することと、加えて、鋳物砂再生工程から発生した鉱滓以外の鉱滓が混入していないことを確認することとしました。エコサイクルセンターで受け入れする際は、管理表に発熱性を有していないとの記載があることを確認すること。そして、埋め立ての際には、鉱滓を袋から取り出し、燃え殻と混合して埋立、その後十分に散水し、温度上昇がないことを確認することなど、というものでございます。また、自動火災報知設備や赤外線サーモングラフィーカメラによる熱感知警報システムを導入するなど、設備面の対策も図ってまいりました。
このような対策を確実に実施することにより、一昨年9月の2回目の発煙以降、エコサイクルセンターにおいて異常は発生しておりません。
県としましては、エコサイクルセンターと緊密に連携の上、再発防止策の徹底などにより安全安心な最終処分場の運営がなされるよう、万全を期してまいります。


●門田地域福祉部長
本県における軽度者向けの介護サービスの現状について、お尋ねがございました。
介護保険制度の改正により、要支援1、2の軽度の方を対象とした訪問介護と通所介護のサービスは、介護保険による給付から、市町村が実施する事業として提供されることとなりましたが、県内の市町村におきましては、引き続き専門的なサービスが必要な方には指定介護事業所によるこれまでと同様のサービスが提供されているところでございます。
こうした中、厚生労働省が本年1月に実施をいたしました調査では、軽度の方への介護サービスの提供を継続するため、平成30年4月までに必要とされる指定の手続きをとらない事業所があると回答した市町が本県においても6団体ありました。当該団体からは、他の事業所への引き継ぎなどにより、サービスの継続が困難な方はいらっしゃらないとお聞きをしております。
県といたしましては、事業者がサービスの提供を中止する場合には、高齢者のサービスが継続できるよう、市町村に対して、事業所との調整など必要な対応をお願いをしているところでございます。あわせまして、高齢者へのサービスの継続が困難となった場合には、速やかに報告をしていただくよう依頼をしており、今後も状況を注視してまいります。

次に、山間過疎地域の介護サービスの実態の把握と今後の対応策について、お尋ねがございました。
本県の多くを占める中山間地域では、過疎化の進展により要介護者が広範囲に点在していることもあり、採算面から介護事業者の参入が少ない状況です。こうした中、県では、市町村と一体となって中山間地域におきまして、遠距離の利用者に在宅介護サービスを提供する事業者への支援に取り組んでおり、現在、20の市町村で補助金を活用したサービスの提供が行われております。その結果、28年度はサービスの維持につながっているとしている事業所が93あり、さらに、サービスの提供地域や営業日は拡大した、また、雇用の拡大が実現したとしている事業所は13事業所となるなど、サービスの確保や拡大につながっていると考えております。
あわせまして、中山間地域が多い本県の状況に則しました高知版地域包括ケアシステムの構築に向けて取り組みを推進することとしており、その中で、中山間地域における地域の現状をしっかり把握した上で、さらなるサービスの充実と関係者とのネットワークの強化を図る取り組みを推進してまいります。
 また、介護サービスを充実させるためには、それを提供する人材の確保が不可欠となりますが、先ほど知事からもお答えしましたように、中山間地域は大変厳しい状況にあります。このため、来年度は、高校生や中山間地域の住民の方々を対象とした、介護職員初任者研修受講による資格取得支援や就職相談会などを継続して実施いたしますとともに、新たに移住促進人材確保センターとも連携し、移住者向けの介護資格の取得も支援することとしております。
県といたしましては、引き続きこうした取り組みを通じて、中山間地域の皆様が住み慣れた地域で、必要なサービスを利用できるよう介護サービスの拡充とそれを提供する人材の確保に向けまして、市町村と一体となって取り組んでまいります。


●樋口中山間振興・交通部長
移動販売業者の実態について、お尋ねがありました。
県では、昨年度、各市町村における生活用品確保の取り組み状況を把握するため、県内の全市町村への書面調査と、ヒアリングによる買い物に関する実態調査を実施いたしました。この調査では、各市町村におけるスーパーや移動販売など、買い物資源の状況や住民の皆様の買い物動向などをお聞きした結果、移動販売事業については32の市町村のエリアで行われており、個人事業者を始め量販店や商工会、JAなど70前後の事業者が営業活動されてることが確認できたところです。
具体的な活動内容につきましては、基本的には、量販店や個人商店が1つのルートを週一、二回程度、合わせて週6日程度巡回している事例が多く、商工会や直販所が買い物代行と一緒に移動販売を行っていたり、鮮魚店が魚をメインに活動している事例もございます。また、職員が実際に移動販売に同行させていただいたこともございますが、人口が少ない集落であっても、定期的な購入の希望があれば販売に向かい、また、歩行の不安な高齢者にはその軒先までお伺いするなど、非常にきめ細やかな対応で地域の皆様に大変必要とされている事業であることや、普段はあまり顔をあわすことがない隣近所の方々が集まって話をする機会にもなっており、地域のコミュニティーの維持にも貢献していることを実感したとのことでした

次に、移動販売業者に対するランニングコスト低減のための支援について、お尋ねがありました。
身近に買い物ができる店舗がなかったり、移動に不自由されております住民の皆様にとって、自宅近くまで来ていただける移動販売は安心して生活するための命綱とも言え、地域にとってかけがえのない存在であります。このため、そうした地域の買い物対策として、見守り活動をあわせて行っていただけるといった要件を満たし、市町村が移動販売事業者への支援が必要と認める場合は、中山間地域生活支援総合補助金より市町村とともに車両の購入や改装費用など、初期費用に係る支援を行っています。御提案のありました燃料費などのランニングコストについては、新たに移動販売を始めようとする場合に、試行期間として最長12カ月まで支援の対象としているところです。その後につきましては、移動販売は基本的に民間業者の事業活動でありますことから、恒常的な運営経費にまで直接的な公費支援を拡大することは難しいと考えていますが、中山間地域における日常生活用品の確保は重要な課題でありますので、今後とも地域の実情の把握に努め、市町村の考え方もお聞きしながら、さまざまな角度から検討を続けたいと考えています。

最後に、商店機能のある集落活動センターの数と集落活動センターの中で行う買い物弱者対策について、お尋ねがありました。
現在開所しております42の集落活動センターのうち、食料品や日常品などの販売を行っているのは、16年ぶりに商店を復活させた鵜来島の集落活動センターなど8カ所となっております。また、地域の状況に応じた生活支援サービスの1つとして、センターの店舗で販売している商品を電話で注文を受け家まで配達するサービスを行っているところや、センターでは販売を行っていないものの、月に1度近隣のスーパーマーケットへの送迎バスを運行し、住民の買い物支援に取り組まれているところなどもございます。
こうした状況を見ますと、中山間地域の集落の困りごととして、買い物弱者対策が切実であり、その課題解決のために集落活動センターによる取り組みが有効な方策と考えられているのではないかと考えます。
 県としましては、今後も集落活動センター連絡協議会の場などを通じまして、各地域での取り組み事例の周知を図りますとともに、こうした買い物弱者対策を始めとした生活支援など、地域住民の皆様が主体となって取り組まれるさまざまな活動に対して、市町村となお一層の連携を図りながら積極的に支援してまいりたいと考えています。


●田村教育長
県立日高養護学校高知みかづき分校の施設を含めた教育環境の整備について、お尋ねがございました。
高知みかづき分校は、卒業生全員の確実な就労と就労の継続を目標に掲げ、職業教育に特化した教育を特色としている特別支援学校です。知的障害のある生徒の職業自立に向けた専門的な知識や技能の習得を目指し、地元の企業や専門学校とパートナーシップを結び、プロによる指導を授業に取り入れたり、校外での実習に多く取り組むなど、教育内容や指導の充実を図り、卒業生のほとんどが一般企業に就職しています。
こうした教育成果もあって、平成29年度からは入学志願者が定員の16名を超えている状況です。また、高知みかづき分校で実施している作業学習においては、作業内容を生徒の能力や特性に応じて多様化する必要があることから、議員御指摘のとおり、学習で使用する機器等の整備を含め、作業学習に特化した環境整備が必要ですが、現在、作業スペースとして使用している総合実習室は、他の教科等の学習と併用している状況にあります。さらに、発達障害をあわせ持つ生徒も増加しており、こうした生徒の高い作業能力を引き出し、より専門的な技術を修得してもらうためには、静かな環境や作業の導線が明確に構造化された作業場スペースといった障害特性に応じた環境整備も課題であります。
しかしながら、現在の分校の建物や敷地は面積に限りがあり、教室などの増設は難しい状況がありますので、外部施設の活用を含め、教育環境整備のための具体的な方策についてあらゆる可能性を検討し、関係者に十分理解を得ながら課題に対応してまいります。

次に、発達障害をあわせ有する方の割合の増加など、本県の特別支援教育の現状と課題を踏まえた今後の取り組みについて、お尋ねがございました。
本県の公立小中学校においては、発達障害などにより特別な教育的支援が必要な児童生徒の割合は、県の実態調査によりますと、平成25年度には6.3%でしたが、平成28年度には8.9%と増加傾向にあります。また、特別学校においても、自閉症などの発達障害をあわせ持つ児童生徒は確実に増加しており、議員御指摘のとおり、障害の特性や発達段階を踏まえた1人1人の教育的ニーズに応じた指導支援の充実や教育環境の整備が課題となっております。
このため、これまで全ての学校で教職員の発達障害についての理解や専門的な指導力の向上、全ての子どもがわかる、できるを目指したユニバーサルデザインによる授業づくり、外部専門家と連携して組織的な支援を行う校内支援体制の整備などに取り組むとともに、切れ目のない支援のための地域ネットワークの構築も進めてまいりました。
県としましては、今後も引き続きこれらの取り組みが強化されるよう、巡回相談事業や外部専門家の派遣などにより、学校を支援するとともに、高知大学教職大学院への現職教員の派遣などにより、特別支援教育推進の核となる専門性の高い人材の育成に努めてまいります。また、高等学校におきましては、本年4月から、通級による指導が制度化することにあわせて、本県でも2校において、小中学校などからの学びの連続性を一層確保しつつ、障害特性に応じた特別な指導を受けることができる通級による指導を導入し、その充実を図ってまいります。さらに、現在取り組みを進めております県立特別学校再編振興計画では、県内唯一の病弱特別支援学校である高知江の口養護学校において、発達障害をあわせ持つ心身症などの児童生徒が大幅に増加してきたことを踏まえ、児童生徒の多様な教育的ニーズや進路希望にこたえる教育内容の充実や柔軟な教育課程の編成が行えるよう、校舎の移転整備を行うこととしております。
こうした取り組みなどによりまして、今後とも一層の特別支援教育の推進に努めてまいります。


●門田文化生活スポーツ部長
全国レクリエーション大会の準備状況と気運の醸成について、お尋ねがございました。
第72回全国レクリエーション大会in高知は、本年9月21日から23日までの3日間、高知市をメイン開催地として、県内6市町において、日本レクリエーション協会や高知県レクリエーション協会、高知県などが主催となって開催するもので、大会には、県内外から約7,000人の参加が見込まれております。開催に向けては、昨年5月に準備委員会を設立し、式典部会や研究フォーラム部会の5つの専門部会を立ち上げて、会場の決定や企画内容、大会全体の運営方法などについて準備を進めてきており、今年4月には実行委員会の設立を予定をしております。
また、昨年10月には、本大会のリハーサルを兼ねたプレ大会として、高知県スポーツレクリエーション大会を開催し、開会式や競技運営などに関する確認も行ってまいりました。このほかにも、県レクリエーション協会や加盟団体などにおいて、インストラクターや審判員の養成が行われております。
 一方の機運の醸成に向けましては、大会スローガンの公募を行い、スローガンを「維新の志士とレク談議まっこと高知はおもしろい」に決定するとともに、大会パンフレットの作成、配布や県内イベントにおいてレクリエーション体験コーナーを設置して、PRも行ってきておりますが、今後、新聞を始めマスメディアを活用したPRも行うなど、さらなる気運の醸成に努めてまいります。
県としましては、今大会により多くの方々が御参加いただき、交流を深めていただくことで、スポーツ振興やレクリエーション活動のさらなる発展につながるようしっかりと取り組んでまいります。


●山本健康政策部長
犬、猫の収容及び処分頭数の推移について、お尋ねがありました。
これまで小動物管理センターへの収容数を減らすための対策として、動物の適正使用の普及啓発や飼い主からの引き取りの厳格化、不妊手術費用への助成などを行ってきました。その結果、収容頭数を小動物管理センターが現在の体制となった平成18年度と平成29年度1月末までの実績を比較しますと、犬は2,313頭から252頭に、猫は6,251頭から697頭に減少しています。また、飼い主への返還や新たな譲渡先を見つけるため、犬、猫の写真や特徴などをホームページに掲載したり、譲渡ボランティア制度の運用や休日の譲渡見学会の開催など、できるだけ処分しない取り組みを進めてきました。その結果、処分頭数を同様に平成18年度と平成29年1月末までの実績を比較しますと、犬は2,049頭から19頭に、猫は6,244頭から646頭に減少しています。

次に、中央、中村、両小動物管理センターの現状と運営の課題について、また、委託業者への県による監督及び指導について、お尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えします。
まず、犬については、中央、中村の両小動物管理センターでの飼養管理にあたり、清潔な環境を保持するとともに、犬同士がけんかしないよう相性を見ながら、犬舎での収容場所を変えるなどして、できる限りストレスを与えないよう努めています。
ただ、野良犬などに対する住民の方からの不安の声や苦情を受け、保護される犬は譲渡を上回るペースで入ってくるため、一部改修で収容力の拡大を図った上で、さらに、係留が可能な廊下なども利用して、施設の収容能力の限界まで使用しているという状況です。
 一方、猫については、収容される猫のほとんどは離乳前の子猫であり、つきっきりで授乳や体温の保持等の介助が必要なことから、現状では適切にセンターで飼養することは困難であるため、殺処分せざるを得ないという状況です。
こうしたことから、来年度は、動物福祉に配慮した飼養管理体制を強化するため、獣医師による健康チェックを行うとともに、ミルクボランティアによる離乳前の子猫譲渡などにも取り組みます。また、県職員がこれまで以上にセンターに頻繁に出向くことで、委託業者との綿密な連携のもと、運営の品質管理に努めていきたいと考えています。


■大野たつや
知事はじめ執行部の皆様には、丁寧なご答弁をいただき、本当にありがとうございました。
1点だけ
証明書などのコンビニ交付について、総務部長に再質問をさせていただきたいと思います。コンビニでの証明書の交付は、役場の出先機関や窓口が少ない過疎自治体に住む住民にとって、その市町村にコンビニがあるなし、多い少ない関係なく、どこでも証明書が受け取れるという、大きなメリットのあるシステムだと思います。多くの県民の利便性の向上を図るうえでも、コンビニへの導入を、ここは是非、県にしっかりとリーダーシップをとっていただき、市町村と十分な連携協議のうえ、オール高知で県下全市町村が一斉に取り組めるよう、財政面も含めた支援をお願いしたいと思いますが、総務部長に決意をお伺いしたいと思います。

 
 
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●梶元総務部長
このサービスは、御指摘のようにメリットは大きいものだと思っております。
一方で、市町村の声をお聞きをいたしますと、このサービスを導入しない理由として、そもそも自分たちの地域にコンビニエンスストアが少ない。このため、利便性の向上にはつながらないのではないかという声もございますし、現在の役場の支所などでの交付で十分対応できるという声をお聞きしておりまして、いまだ市町村の皆様に十分メリットを御理解いただけていないという現状があります。
このために、県といたしましては、これまでも市町村の皆さんに対しまして、総務省の職員をお招きする説明会ですとか、さまざま市町村の皆様からヒアリングをさせていただく場がございますけれども、そういった場を通じまして、このサービスのメリットを説明し、導入を促してきているところでございまして、一部の市町村ではありますけれども、関心を持っていただいて、具体的に検討を進めていただいているという状況でございます。
また、国においても、この導入に1つ課題になりますのがコストでございますが、この導入のコストを下げると、あるいは、新たな利便性向上の取り組みということも検討しているというふうに聞いております。県内市町村でどこかがもし始めていただければ、その取り組みを横展開するということも考えられますので、引き続き議員御指摘いただいたようなコンビニ交付のメリットを市町村に説明をさせていただきながら、導入を促してまいりたいと考えております。

■大野たつや
今月限りで退職される職員、教員の皆さまも多くおられると思います、これまでの県政はもちろん、市町村政に対するご支援、ご尽力にも心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。また、田村教育長におかれましては、前職の情報化関係の時から大変お世話になってまいりました。たしか、情報基盤課長をされていた時だったと思うんですが、当時介護保険業務のシステムの導入にあたって、電算システムの市町村での共同利用のご提言をいただきました。
今はそうしたシステムの共同利用は当たり前のようになってきていますが、自治体業務システムの共同利用が進むことのきっかけ、先駆けに田村教育長の市町村に寄り添った前向きなご指導、ご支援があったこともご紹介させていただきたいと思います。
あらためまして田村教育長、今後ともお体には十分ご自愛の上、変わらぬご指導ご鞭撻をお願いしたいと思います。本当にありがとうございました。
今日は冒頭より、知事への大変ぶしつけな質問からはじまり、原子力から、最後は動物愛護の課題まで、主に共生社会をテーマに様々な質問をさせていただきました。
競争社会、弱肉強食社会と言わざるをえない、この国の現状でありますけれども、命の重さに優劣はありません。この先、過労死など絶対ないような社会、命を大切にする、助け合いの優しい、あたたかな社会、県政となりますよう、心から祈念して私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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